【フット・イン・ザ・ドア】交渉時に必須な営業テクニック3選【ドア・イン・ザ・フェイス】

あなたは普段、商談時にどんなテクニックを用いていますか?

すっかり寒冬が過ぎ去り、入れ代わり立ち代わりでやってきた花粉によりティッシュが手放せない時期になりました。

さて、みなさまは営業中の商談時、どんな交渉テクニックを活用されていますでしょうか?

まさかまさかですが、

・持参した金額入りの提案書をそのまま読み上げるだけ

・「契約してください!お願いします!のようなお願い営業

・「価格は相談させていただきますので、、」のような値引き解決型トーク

等の子供の使い営業を実施していないですよね?

もし現在もそれを実施している営業パーソンがいた場合は、すぐに止めてください(マネージャーの場合は指摘してください)。

このような交渉方法を続けている限り、あなたの会社の素晴らしいサービス・商品は適正価格で売れることは無いでしょう。

厳しい言い方ですが、そもそもこんな交渉スキルで商談に臨むのであれば誰が担当しても同じですよね。

トップセールスは「彼(彼女)じゃないとこの価格で成約できなかった」を実現します。

今回はそんなトップセールスは全員知っていて当たり前の、【相手を説得するための必須商談スキル3選】を解説していきます。

大元は心理学ですが、交渉事に親和性の高い営業職であれば必ず抑えておきたいポイントです。

相手を説得するための【必須スキル3選】を解説

1.フット・イン・ザ・ドア

フット・イン・ザ・ドア・・・はじめに簡単なお願いを承諾させて、次の難しいお願いを断りにくくする手法

出ました、フット・イン・ザ・ドア!

これは比較的有名な交渉術の一つではないでしょうか。

一度「Yes」を言ってしまうと、その後断りづらくなる心理を利用したものですね。

勿論営業における商談でも活用可能ですが、わかりやすい例えとしてキャバクラやスナック等夜のお店で多用されているのが見受けられます。

キャスト「一杯頂いてもよろしいですか?」

来店客「勿論!どうぞお好きなものを!」

キャスト「ありがとうございます!あ、それとフルーツ盛り合わせもご一緒にいかがですか?カクテルによく合うと思いますよ!」

来店客「えっ?まぁ今日だけなら良いか、、じゃあお願いします!」

こんなイメージです。

さすがの一言ですね。

某有名トップセールスマンが営業トーク、交渉術を勉強するため一時キャバクラに通い詰めたという話も耳にしたことがありましたが、やはり交渉のプロの方々は日常的に活用している手法の一つと言えます。

そしてこのケースの場合、冒頭の「一杯」は仕掛けであり、「フルーツ盛り合わせ」が本命です。

つまりみなさまが商談する際には、本命を承諾してもらうための「仕掛け」が必要ということになりますね。

これをどう設計していくのか、がフット・イン・ザ・ドアの肝となりそうです。

※フルーツ盛り合わせは財布と相談してから頼むようにしましょう

2.ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイス・・・断られることを前提としたお願いをして、断られたら次に引き受けやすいお願いをする手法

これも比較的名の知れた交渉術ですね。

そしてこのドア・イン・ザ・フェイス、、営業職においては必ず活用すべき交渉手段だと断言できます

なぜなら前述のフット・イン・ザ・ドアのような「最初にすべき簡単なお願い=仕掛け」は、サービス・商材によっては設定しづらいケースも存在し、万人が活用できるものではないためです。

例えば建設会社がマンション建設を本命として商談する際に、簡単なお願いとして「まずは足場だけ組ませてくれませんか?」などという素頓狂な仕掛けは設定できないのです。

この場合、当該建設会社が本命に繋がる「仕掛け」を設定することは困難でしょう。

それに対してドア・イン・ザ・フェイスでは、本命以上の価格であり断られることを前提とした「当て馬」を用意すればいいだけなので、設計方法が広がります。

マンション建設会社「最高級のオプションをフル装備し、素材も最高グレードに拘りました。トータルコストは3億2,000万円です」

顧客「そんな高いもの買わないよ!それにそんなオプションは必要ない!」

マンション建設会社「これは失礼しました。では標準より少しグレードの高いオプションを付帯した、1億9,000万円のこちらのプランはいかがでしょうか?本来であればプラス500万円でしたが、そちらは日頃からお世話になっている私のささやかな気持ちです」

顧客「まぁこのくらいだろうな」

こんな格好です。

ここでポイントが一つ。

・「当て馬」と「本命」が同一商品の場合は金額差を乖離させすぎないほうが良い

・「当て馬」と「本命」が別商品の場合は金額差を乖離させたほうが効果的

ということです。

今回のケースのように、同一商品(この場合で言うところの「マンション」)であれば価格の激しすぎる乖離は逆に顧客の信用を落としかねないです。

しかし商材が異なる場合、例えば「骨董品の壺」と「ティーセット」では常識的に考えて価格の乖離があるのが当然なため、提案時の価格設計は大胆でも構わないとされています。

ただ単純に自社のサービス・商品の金額をそのまま提案するのと、このように一度当て馬を挟み本命である提案に移行すること、どちらが効果的であるのかは一目瞭然です。

是非このドア・イン・ザ・フェイスをフル活用していきましょう。

3.ローボール・テクニック

ローボールテクニック・・・まず好条件を提示して、承諾させた後に不利な条件を付け加える手法

これは知る人ぞ知るテクニックです。

が、説明を読んでわかるとおり基本的には活用しないようにしましょう。

非常に悪質な手法の一つであり、実際に詐欺行為に使われた事例もあります。

そもそも相手に嘘を付くことになるため恨みも買いやすく、一瞬でこれまで培った信用が吹っ飛びます。

え?

では何のために解説したのか?

ローボール・テクニックは”使うため”ではなく”騙されないため”に覚えておくべきだからです。

当たり前ですが、このような交渉手段は自身が使うこともあれば、相手が使うこともあります。

その際にこれらの知識があれば、「なんだか怪しいな、、」と警戒し被害を最小限に抑えることもできますよね。

何事も自分が使う使わないの傍らで、相手に使われる使われない、という思考も同時に持っていたいものです。

言い方一つで相手が受け取る印象は異なる

いかがでしたでしょうか。

商談の中で必ず行わなければならないのは「提案すること」だと考えますが、その上で価格を含めた提案方法の新たな発見はありましたでしょうか。

実際に幾つかの交渉手法をご覧になっていただいたとおり、同じ「提案」でも伝え方や順番によって相手の受け取り方は変わってきます。

バリエーションに富んだ交渉スキルを持つことで、先方に刺さる提案を実現し、商談の最終目的である「成約」を掴み取っていきましょう。

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