肩書や容姿で人を判断していませんか?
私達は日常生活の中で、日々様々な方に出会っています。
朝の情報番組のコメンテーター、通勤途中の乗車客、職場の同僚・上司、ランチタイムの飲食店店員、取引先のお客様、街を行き交う人々、TV番組の演者、ユーチューバー等の動画配信者、等々。。
しかし恐らく自身に関係する一部の方々を除き、大半の方は記憶にないでしょう。
ではその中で記憶に残る方はどんな方でしょうか。
それは例えば
「圧倒的に容姿の整った人TV番組出演者や街ですれ違った美男美女・紳士淑女」
「大仰な肩書を冠して理路整然と持論を説くコメンテーターやビジネス系ユーチューバー」
等ではないでしょうか。
そしてそのような方々が発する言葉の一つ一つは、妙に信憑性が高かったり、なぜだか強く共感できるように感じませんでしょうか。
これには実は心理的なカラクリがあり、またこの仕組みを理解すれば上記のような「特別な人だと思われること」が可能となります(実際そうでなくとも)。
悲しいかな「第一印象が9割」と世間でも言われているように、どんなに中身が素晴らしくても外身で判断されることが避けられない世の中ですので、以下の心理現象を理解し世の人々の「イメージ」を自身でコントロールして有意義な人生を歩みましょう。
「なんだか特別な人に感じる」←ハロー効果
結論から申し上げると、前述のように「肩書や見た目だけで人を判断すること」を【ハロー効果】と言います。
割と有名な心理的効果かもしれませんが、有名且つ度々取り上げられるという点ではやはり有効的な心理現象なのでしょう。
説明がわかりづらい方のために噛み砕いて説明すると、
「イケメン」「高収入」「青年実業家」「高学歴」「高身長」「弁護士」「IT系社長」「商社マン」「外資コンサル」「港区」「タワマン」「フェラーリ」「高級時計」「ヒルズ族」「開業医」etc…
これのどこかに反応した方はハロー効果による影響を受けているということです(因みに私はフツメンの静岡県在住、低身長の低収入です)。
このように容姿の整った人や、医者や政治家等を含む社会的ステータスの高い人、役員や社長等肩書のある人に対して、それだけで特別な人だと思ってしまうことを「ハロー効果」と呼びます。
ある人に際立って優れた特徴があると、実際は大したことなくてもその人の他の特性も全て良いと判断してしまうということです。
また余談ですが、「ハロー」とは神や仏の背後から発せられる後光や光背のことであり、「後光効果」「光背効果」とも言われるようです。
良くも悪くもな様々な使用例
さてこの「ハロー効果」ですが、実は私達は日常生活の様々な場面で出くわしています。
例えば企業のテレビCM。
実際に企業に所属しているわけではないのに、芸能人を多用しているテレビCMをよく見かけませんか?
これは知名度の高い芸能人が当該企業の商品を宣伝することにより、視聴者に「安心感」や「信頼」を与えて購買までの参入障壁を下げているのです。
逆にボサボサのヘアスタイルにヨレヨレのスーツを着た一般中年男性が「資○堂」さんのCMで「ようこそ日本へ」と歌いながらTSU○AKIのシャンプーを宣伝していても、不信感が増すばかりですよね(極論です)。
まさにハロー効果です。
そして私は個人的にこのハロー効果は悪用されるケースのほうが目に留まります。
例えば情報商材や投資関連の詐欺系広告。
ユーチューブ等の動画配信プラットフォームの広告でよく出てきますが、もはやハロー効果の宝箱です。
フェラーリを乗り回し、ロレックスを身に着け、高級スーツに身を包んだ(自称)若手実業家が「私は1日20分の業務量で1億円を稼いでいます!特別にあなたにもその方法を伝授します!」と豪語する、、
どこからどう見ても怪しすぎる!
と私は思うのですが、世の中にはこれまたハロー効果で「こんなに身なりの良さそうな人が言っているのだから間違いない!」というような考えで騙されてしまう方がいるのもまた事実です。
ハロー効果の影響を受けやすい人の特徴
ではどのような人が「ハロー効果」の影響を受けやすいのでしょうか。
それはずばり「既成概念に縛られたステレオタイプな考えな人」に多く見受けられるようです。
「あの人は警察官だから正義心が強い」等、性別や職業、集団に対するイメージで物事を決めてかかっている人は、ステレオタイプな考え方の持ち主といえます。
「ややこしいことは嫌い!」「考えるのが面倒くさい!」というように複雑な物事を簡単にして捉えたいという心理が働いているため、相手のことを理解しないまま誤ったレッテルを貼ってしまうのです。
また新しいものを受け入れるよりも過去の経験から判断するため他を受け入れようとしないような「頑固な人」もこのタイプです。
誰しもが少なからずステレオタイプな考え方を持っているとは思いますが、既成概念に囚われすぎて善悪の判別ができなくなるような事態は避けたいものです。
ハロー効果を使い倒して相手の「イメージ」をコントロールしましょう
以上が「ハロー効果」の解説でした。
もう既にお分かりの通り、このハロー効果は自身が影響を受けるだけでなく、自身が影響を与える側になることも可能です。
そしてそれは肩書や容姿がなくても可能です。
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私の尊敬する営業マンは商談によって「営業部長」と肩書が記載された名刺と一切肩書が記載されていない名刺を使い分けていました。
私もそれに倣って商談によって服装を「ジャケット」と「作業着」に使い分けていました。
このようにハロー効果をどう使うかは人それぞれですので、是非気軽にチャレンジして相手の反応を探ってみましょう。