【話下手で悩んでいるすべての方へ】活用しましょう「PREP法」

都内で新型コロナウイルス過去最多の感染者数が確認され第二波の襲来が囁かれる今日この頃、やむを得ず非対面型の営業方法を模索し、オンライン商談や非接触型のアウトバウンド施策を試みている企業様も多いかと思います。

その中で課題の一つとなるのが、営業マンの「話を簡潔に伝える能力」です。

対面型の営業であればある程度の雑談や覚束ないトークでも許してもらえたところ、オンライン等でのセールスではそうはいきません。

オンラインセールスでは障壁の低さや商談方法の特異性による商談軽視姿勢、またルーティン訪問ではなく先方に日時を指定して臨んでいただくため、より「簡潔な説明」が求められます。

そのため今回は基本に立ち返って、プレゼンや商談、報告の模範となる文章構成スキル「PREP法」の解説をいたします。

話の上手い人が実践している文章構成スキル「PREP法」

まずはじめに「PREP法」とはトークスキルの一種であり、相手に理解されやすい説明をするための文章構成方法です。

それぞれの構成の頭文字を取り「PREP」と名付けられました。

P・・・Point(要点)

R・・・Reason(理由)

E・・・Example(例え、具体例)

P・・・Point(要点※2回目)

営業活動の一環でお客様に商材を説明する際、社内プレゼンや進捗報告等で先輩上司に状況説明する際などでこちらのPREP法を活用することにより、簡潔にそして適切に自分の伝えたいことを相手に伝えることが可能となります。

またPREP法を意識すれば自分が話していて話が脱線しそうになっても、然るべき文章構成に立ち返ることができます。

以下でそれぞれの構成を解説いたしますので、是非日々のコミュニケーションスキル向上に役立てていただけると幸いです。

P・・・Point(要点)

まずはじめの「P」はポイント、いわゆる要点です。

よく「報告は結果から伝えてその後に補足を入れる」というように、商談時の駆け引きや意図的な交渉等の特別な場合を除き、要点から伝えることはビジネス上のコミュニケーションではマストと言えるでしょう。

逆にこれができていない例としては

上司A「B君、昨日頼んでいた資料作成は終わったかね?」

社員B「その資料なんですが、作成してみると競合他社が弊社より相対的にリーズナブルな面が浮かび上がってきますね。弊社も差別化を図るためにプレミアムを上乗せするなどの有効な販促施策が必要かと考えます。」

このようなケースです。

一見社員Bがまともなことを言っているように見えますが、上司Aの「資料作成は終わったか」の質問、いわゆる「Yes or No」の質問に対する回答がありません。

これだけで会話のキャッチボールができない人の烙印を押されてしまいネガティブなイメージを抱かれてしまうため、「(P)ポイントから話す」ことは常々意識するようにしましょう。

R・・・Reason(理由)

次の「R」は理由です。

(P)ポイントを冒頭に持ってくるのは定石ですが、その後に紐づく理由を添えることにより発言の有効性が高まります。

悪い例

上司A「先ほどの中途面接の方はどうだった?」

社員B「非常に良かったです。次の選考に進めてもいいと思います。」

これだと「どんなところが良かったのか」言葉足らずですよね。

良い例

上司A「先ほどの中途面接の方はどうだった?」

社員B「(P)非常に良かったです。(R)というのも弊社の理念、ビジョンに強く共感していただいており、業界知識や実績にも申し分がなく、何より質問に対してこちらの意図を適切に汲み取りピンポイントな回答をされる姿勢から情報処理能力の高さが伺えました。」

この場合だと「(P)非常に良かったです。」の裏付けがしっかりしていて、なぜ良かったのかを上司Aが理解しやすい説明です。

このようにReasonを的確にPointに関連付けることにより発言の信憑性や根拠付けが有効的になります。

E・・・Example(例え、具体例)

三番目の「E」は例えや具体例です。

これはより(P)ポイントを引き立てる重要な要素となります。

よく「話術のプロ」と称されるような落語家さんや芸人さんなどもテレビで「例え」を用いたエピソードを面白おかしく繰り広げられているのを目にしますが、実は公的な教育機関なども「例え」を有効活用しています。

わかりやすいのが算数の教科書。

ここにリンゴが3つあります・・・

皆さんお馴染みのフレーズですね。

数字のみの説明は勿論要点であり最重要なポイントではありますが、これを「果物」というわかりやすいものに例えることで学生の理解を深める意図があります。

勿論ビジネスでの相手は学生ではなく既に多方面の知識を有している社会人ですが、少なくとも専門的な単語や表現が頻出するフィールドであるため、少しでも相手を気遣う意味でも「例え」を上手く活用することはトークスキルの一端となり得るでしょう。

P・・・Point(要点※2回目)

最後の「P」は念押しのポイント、要点です。

勿論冒頭の(P)ポイントをベースに話を進めているので、前提条件として既に理解はされているとは思います。

しかし、某有名講演家が「プレゼンにおいて最も観衆の意識に残るのは冒頭と結論である」と述べていたとおり、結論で再度要点をまとめることにより相手の理解の深化や再認識が実現します。

人によっては(R)理由や(E)例えが多岐に渡り説明が予想以上に長くなってしまうケースもあるかと思います。

その場合にそのトークの最重要項目を想起し構成をまとめ直す意味でも、きちんと最後に本来の訴求ポイントを再提示しましょう。

文章構成スキルの鍛え方

上記で話の上手い人が実践している文章構成スキル「PREP法」の説明をしました。

これを実践することにより日々上司から報告内容を指摘される方、営業活動時に伝えたいことが適切に伝わらずお客様と密なコミュニケーションが取れない方などは、少なからず折衝能力の向上が見込めると考えます。

では、この文章構成スキルを鍛えるためにはどんな訓練をすればいいのか。

それはずばり、、

ひたすら紙に書き出してみる

ことです。

業務報告内容でもプレゼンシナリオでも商談スクリプトでも何でも、まず紙に書き出してみてください。

そしてそれを「PREP」に当てはめてみてください。

そうすると多少のズレや不足が見えてくるはずです。

そこがまさしく「成長の伸びしろ」ということになります。

そしてこの単純な作業、実は多くの有名起業家や著名人が実施しています。

彼らも述べているとおり、紙に書き出すことで自身の考えの可視化であったり文章構成のチェックであったり、更には付随するエッセンスの掘り起こしまで、ただ単純にメモをすることで得られる成果は頭の中でのみ考える場合の比になりません。

是非皆様も自身の考えを書き出してみて文章構成スキルを高め、且つトークスキルを向上してワンランク上のビジネスマンを目指していきましょう。

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